今回は僕が初めてバイクパッキングして、キャンプライドに行った時の話です。
準備編
行き先決め
決行したのは2019年の8月お盆の暑い時期でした。この年のお盆は、子供達がサッカーの合宿に参加するので、僕自身予定が空いていました(僕は子供と遊ぶ以外、ひとり遊びがほとんど)。ソロキャン行くにもお盆休みの激混みの中、行く気になれません。
そこでお盆休みは「何をするかな〜」と考えていた時、お世話になっている自転車屋の店長から、バイクパッキングのバッグ類一式を、安く売ってもらえたのです。それならば「行くっきゃないでしょう!」と思い立ちます。
どこへキャンプライド行こうか考えました。キャンプ場はどこも激混みだし、今更予約なんて取れない(盆休み1週間前くらい)。そこで子供達が山中湖へ合宿行ってるのを思い出し、ルートを確認。僕の家から山中湖まで最短で100kmくらい。

別の日に撮影。三国峠から見れる絶景。富士山と山中湖が一望できます。
しかし最短のルートだと、小山市から山中湖まで抜ける途中、三国峠があるんです。この三国峠、最大斜度20%前後が続く、アホみたいな激坂峠なんです。車で通ってもエンジンが悲鳴あげるくらい。しかも夜中に出る予定だったので、この峠は真っ暗。途中で絶景が見れるのですが、このルートは却下。
20kmくらい遠回りになりますが、道志道経由で行くことにしました。こっちの道の方が夜でも街頭があって比較的明るいし、何より走り慣れている道です。走行距離約120km。今まで120kmも走ったことが無いけど、120kmくらいならサイクリストは難なく走っていたので「同じ人間だし行けっるしょ」的なノリで決定です。
自転車選び
行き先を決定したら次はバイク選び。当時僕はマウンテンバイクしか持ってなく、オンロードを快適に走れるバイクがありませんでした。自分のマウンテンバイクでは車重が重いので、サスが付いて無いフルリジットのセミファットマウンテンバイク、長男のChargeを借りて行くことにしました。
サイズはSです。当時小学四年生で身長が小さかったため、サドルは前側にずらし、ステムをショートステムに変え、ハンドル位置を下げて乗っていました。この状態では乗りにくいので全て元通りに戻し、僕でも快適に乗れるポジションへ。
もちろん長男には怒られるので、内緒です。山中湖へ行くこと自体、内緒にしてます。
パッキング
僕が手に入れたバッグ類はハンドルバッグ、フレームバッグ、トップチューブバッグ、サドルバッグの4種類。しかしこれだけには収まらなかったので別案を検討。お盆休みのクソ暑い中、バッグパックは背負いたくなかったので、フォークにマウントできる大型ボトルケージ検討しました。
しかしボトルケージはダボ穴と呼ばれるネジ穴で、取り付けるのが一般的。chargeのフォークにはダボ穴は付いてません。そこでアボ穴無しでも使えるトピークのヴァーサケージを2個購入(左右で使う)。
当時の僕はまだUL系(ウルトラライト)のギアをあまり持っていなかったので、テントが二人用で3キロ!?もありました。そこへチェア、テーブル、着替え、クッカーなどを詰め込んで一通りパッキングの完成です。
ちなみにフレームバッグはchargeには大きかったので、間に合わせの安いバッグを購入しました。
出発
0:00天候確認して出発
出発当日、早く出るに越したことは無いので、夜中の0時に出発。この時、唯一不安だったのが天気です。台風が接近していて、雨風が強くなる予報が数日後だったので、大丈夫だろうと出発を決めました。
まずは夜の134号線をひた走ります。自転車の総重量はおそらく20キロ弱くらいでしょう。思ったよりも軽快に走ってくれます。まぁ海岸沿いは平坦なので、当たり前ですが。しばらく走って湘南大橋を超えたら、129号線へ右折します。
ここまで約35キロ、まだまだ疲れはありません。田村十字路まで北上して左折。道の駅「清川」方面へ。この道の駅を超えた辺りから、登りが始まります。時間はおよそ4時になっていて、周りが徐々に明るくなってきました。この辺で登りがいつもよりキツいと気付きました。そりゃそうです。荷物満載ですから・・・。
5:00宮ヶ瀬湖到着
登りがいったん終わると、宮ヶ瀬湖に到着です。この時、朝の5時過ぎ。ここまでおよそ5時間越えくらいでした。距離は約60キロ。登りに差し掛かって急激にスピードダウンです。チャリが重い重い・・・。
あたりはすでに明るいですね。この時点ですでにペットボトルを5〜6本飲んでます。この時期は飲み物のコストが結構かかるんですよねぇ。車で来た方がガソリン代かからないかも(笑)このまま宮ヶ瀬湖を抜けて道志道へ。
7:00道志道で心が折れる
道志道まで来れば、あとは山中湖までは一直線なんですが・・・。このあと心をへし折る標識を、見てしまうのです。それがこれ。
山中湖38キロ・・・。普段は車で来てるから分かってはいたけど、改めて事実を突きつけられるとねぇ・・・。38キロひたすら登りです。超ヘビー級自転車を押しながら。道中救いだったのが、自販機が結構あること。この時期水分不足=脱水症状になるので。
ちょこちょこと休憩を挟みながら、ただただ登ります。途中、何台もローディに抜かれました。「重そうですね〜頑張ってくださ〜い」とお声がけをしてくれた人もいましたが、自分のことで精一杯。受け答えがちゃんとできませんでした(笑)
汗だくになりながら、鬼の形相で必死に漕いでる中、だんだん膝に痛みが。他にも太ももにも違和感が。そのまま走っていたら、見事に太ももが攣りました(笑)すぐさま休憩してマッサージ。しばらく休んだら動けるようになったので、また登り出します。
もうすでに限界に来てました。楽しいはずのキャンプライドが、地獄に変わっていたのです・・・。
道志の道の駅で休憩をしようと寄ったのですが、そこは盆休み。激混みだったのでスルーしました。道の駅を後にして登り登り登り。この直線の登りでまた心が折れそうに・・・(笑)長い、ほんとに長い・・・。いつまで登っても終らないので、だんだんイライラしてくる始末。
13:00山中湖到着
ようやく頂上にあるトンネルが出てきてマジで嬉しかったですよ(笑)このトンネルを抜ければ少し下って平坦になります。登りはやっと終わったのです。もうすでにフラフラなんですよ、マジで。子供達が合宿してるグランドは山中湖より少し手前。
すでに平坦なので、すんなりグランドに到着。フラフラになりながらグランドに入ると、練習をしている子供達と、それを見学してる親御さん。一人のコーチが僕に気付き「あれ?どうしたんですか?自転車?車から降ろしてきたんですか?まさかここまで自転車じゃ無いですよね?」
ひとり、またひとりとコーチが寄ってきました。そこで僕は「いや、ここまで自転車ですよ」と言った瞬間、みんな絶句(笑)子供達もきて「パパ何やってんの!俺の自転車ジャン!」勝手に乗るなと怒られました(笑)
グランドに着いたのが、13時。0時に出発してるんで、ここまで13時間かかりました(汗)満身創痍です。子供達の練習を数時間見学して、今日の寝床探し。お盆真っ只中で、キャンプ場に空きなんかある訳もなく、野宿の場所探しです。
疲れきっていたので、考えるのもめんどくさくなり山中湖の湖畔で野宿に決めました。クッカーは持ってきたけど調理する気力もなく、途中のコンビニで夕飯を購入。18時ごろ山中湖到着。約120キロのゴール地点です。
21:00撤収の準備
すぐさまテントを設営。あまりにも疲れ過ぎて、ここから写真はほぼ撮って無いです。夕飯はコンビニ飯でしたが体力0%、腹減り100%の状態だと、コンビニ飯でもうまいことうまいこと。今日は疲れたし、早めに寝て朝早く撤収しようと予定をたてました。
明日の天気をふと確認したところ『!?』雨マークが付いてる!しかも横殴りの雨!予報よりも早く接近した模様・・・。「ふざけんな〜!!!」と思いつつ、冷静に考える。朝早く出たところで雨だったら、撤収がめんどくさすぎる。「今、雨降ってないよなぁ・・・」決まりました。
雨が降る前に撤収しましょう。ただせっかく設営してすぐに撤収では切ないので、2〜3時間仮眠をすることに。夜の21時に撤収開始。夜の道志道をガンガン下って行きます。行きは必死だった道も帰りはあっという間。
下り途中お祭りらしき提灯がズラッと並んでいたので、ついパシャり。帰りは仮眠したとは言え熟睡できてないので、体力も限界、眠気も限界であまり帰路の記憶がないのです(笑)来た道をそのままなぞる感じで、帰りました。多分・・・。
朝の5時、残り10キロ地点でバッチリ雨にふられました。しかも横殴りの・・・。雨に打たれながら僕の中では、ZARDの「負けないで」や「サライ」が頭の中でグルグルリピート再生してました。僕の中では、もう24時間テレビのエンディングです。もう少し!
そして、朝の6時到着!帰りはわずか9時間でした。行きは13時間かかったので、4時間も早かった のです。まぁ道志道は帰り下りなので、当たり前ですけど。満身創痍からの風呂と、布団は最高に気持ちよかったです。往復約240キロ、一日ちょっとで走り切りました。
最後に
レーパンも履かなかったのでケツがヤバかったです。アザになってました(笑)ほぼ思いつきで決行した今回のキャンプライド。あれこれ考えずに、まずはやった方が勉強になります。これが僕のファーストバイクパッキングキャンプライドです。最後までお読みくださってありがとうございます。
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